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加圧技術とは

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圧力の科学的発見

「圧力」が歴史上初めて科学的に取り扱われるようになったのは17世紀に入ってからである。水銀を使って大気圧の存在を突き止めたトリチェリ(「トリチェリの真空」)、密閉された容器の中では流体の圧力は均等に伝わることを突き止めたパスカル(「パスカルの原理」)、温度が一定の時気体の圧力は体積に反比例することを突き止めたボイル(「ボイルの法則」)が挙げられる。これらの研究を足がかりに、蒸気機関や圧力発生装置の研究・開発が行われるようになる。

高圧加工の食品への応用

高圧が生物などに及ぼす影響については19世紀末からすでに研究されている。とりわけ、静水圧を利用した高圧加工の食品ヘの応用に関しては、1914年にアメリカのP・ブリッジマンが殻付き卵に500~600MPaの静水圧をかけても卵殻は割れず、卵黄・卵白が凝固することを報告している。
しかし、食品保存技術の急速な発展により、無理をして圧力を使って加工したり、保存性を高めたりする必要がなかった。そのため、87年に京都大学助教授(当時)の林力丸が高圧の食品加工への実用化を提唱するまで、食品の高圧加工技術がこれといった発展を遂げることはなかった。
林の提唱以降、一気に実用化への研究が盛んになる。そして、90年4月には、明治屋がこの技術を活用した「ハイプレッシャージャム」の販売が開始された。翌年8月にはポッカコーポレーション(当時)より高圧処理を施して苦味を抑えたグレープフルーツジュースを発売するなど、商品化され始めた。

高圧加工をすることによる得られる特徴

高圧処理加工を利用する事業者が一番期待している部分が食品の殺菌である。具体的には、200MPa以上の圧力を食品にかけると細菌、カビ、酵母、ウイルスが死滅もしくは損傷する。ただし、食品衛生法で殺菌条件が加熱条件で定められている食品については、加圧による殺菌は認められていない。
その次は、タンパク質やデンプン質の変性である。ブリッジマンの実験のように卵だけでなく、魚肉や畜肉も白っぽく変色するが、加熱したものとはやや異なる。また、野菜を加圧すると見かけ上はゆでたようになるが、常圧下で放置すると次第に固くなり、その後加熱しても煮崩れが起こりにくくなる。
ほかに、酵素の失活や反応の制御がある。これは、食品の有用成分が酵素により分解されるのを防ぐためのものである。この効果を利用したのが、明治屋の「ハイプレッシャージャム」である。このジャムは従来の加熱ジャムにはない自然な色調や風味が味わえる。
また、上記以外にも成分の抽出、食品の保存、有用成分の増加などが挙げられる。

2つの加圧方式

静水圧を発生させる高圧処理装置には2つの方式があり、直接加圧方式と間接加圧方式がある。
直接加圧方式は高圧容器にピストンを用いて圧縮媒体を直接加圧させる方法で、高圧容器内の体積を縮小させて静水圧を発生させる方式である。小容量で高圧力(4~500MPa以上)に向くタイプである。
一方、間接加圧方式は増圧機から圧縮媒体を高圧容器に押し込む方法で、容器内の体積を変化させずに静水圧をかける方式である。大容量で大量生産に向くタイプで、主に400MPa以下の装置で採用される。
なお、どちらのタイプでも、パスカルの原理が適用され、高圧容器の中にある食品は、加圧中すべて均等に圧力がかかっている。また、卵に加圧処理をかけても、殻の内外で均等な反力がかかるため、加圧しても殻が割れることはない。

 

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